【ニュージーランドから学ぶ】コロナウイルスの対策と首相のリーダーシップ




ニュージーランドのコロナウイルスに対する取り組みが厳格で、いち早くておどろきました。

具体的にニュージーランドが取り組んでいるコロナウイルスに対する政策を挙げます。

  • 国境閉鎖、国内線も減便
  • 4週間の自宅待機は義務
  • 医療機関かサービスステーション、スーパーのみ開店
  • スーパーへは一人だけで買い物に行き、その後はまっすぐ家に帰ること
  • 給料をロックダウンがはじまった週から配布

 

どうしてこんなに早く対応できたのか?

どうして感染者の少ないニュージーランドはこの政策に取り組んだのか?アーダーン首相のタイムラインを辿ると見えてきます。

アーダーン首相ってどんな人?
  • 子供の時から格差や貧困問題に疑問を抱き、18歳の時に労働党に入党。
  • 2017年の37歳の時に歴代最年少で首相に就任。
  • 2018年に出産し、首相で初めて産休を取得。
  • 国連総会に子連れで参加するなど、働く女性のロールモデルとして注目されています。

私自身ニュージーランドに暮らしていた時、アーダーン首相が就任し、環境問題に取り組んだりしていました。

就任して間もなく産休を取得して話題になった若くてエネルギッシュな首相。

今回のコロナウイルスに対しても市民のことを第一に考えて対策しているように感じます。

直接国民にインターネットを通じて、毎日友達のように語りかけ、質問にはなんでも答えているアーダーン首相。

コロナウイルスと立ち向かう取り組みをはじめ、本当に国民のことを考えて心配を緩和してくれる首相だなと感じました。

印象的だった言葉は、『自分もウイルスに感染していると思って行動して』

ニュージーランド国民の取り組みですが、現在コロナウイルスの問題は世界市民みんなの共通の問題なので、いいところは見習っていくといいと思いました。

ニュージーランドの取り組みを辿っていきます。

※アーダーン首相の言葉は、自らが解釈して翻訳したものです。

Facebookでニュージーランドの方針や、アーダーン首相のライブ配信がこちらから見られます。

 

 

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ニュージーランドのコロナウイルス対策は、迅速で見習うべきところが多い

ニュージーランドでは、3月の初めに国境を封鎖し3月から6月までは海外からの渡航を基本的に禁止。

この決定にびっくりしました。

なぜならニュージーランドは観光大国でこの決定は国の産業の柱である観光業を閉鎖することになるからです。かなりの人が観光に関わる仕事をしています。

アーダーン首相
海外から帰ってくる人、特にオーストラリアが多いんだけど正しい帰宅方法、隔離するプランを空港でインタビューされると思う。

もしそれがちゃんとした計画性がないと、我々は隔離するしかない。

帰国してくるニュージーランド国民には空港で厳しいインタビューを受け、帰宅経路や自宅隔離のプランも徹底的に調べられるそう。もし認められないと、政府の用意する隔離施設で隔離されます。

ホームページでは中国や、一人目の感染者が出たイランからバリへの経路などどうやって封鎖するかなど詳しい情報も書かれています。

ニュージーランド政府は判断が早くコロナ対策が徹底的

首相が主導となって、各政府の機関と相談し、経済対策や教育、給料の補助などが本当にすごいスピードで決定していきました。

病院に行く時の詳しいアドバイスや、医療従事者などへの敬意も忘れません。

毎日のように、どう国民が行動するべきか?なんでそうするべきなのか?ライブ配信を通して語りかけてきます。

【3/6のアーダーン首相のfacebookスピーチより】

アーダーン首相
1.健康に心配がある人はMinistry of Health に連絡してね。

2 定期的に国境コントロールをチェックしているけど、それが完全に安心なわけではありません。旅行制限はあくまでコロナウイルスを制限するツールに過ぎないのです。

3.子供たちの咳やくしゃみに注意して手洗いをしっかりして乾かしましょう。
元気であれば安全に自宅待機してください。

4.あまり具合が良くなくても家にいましょう。それがウイルスを拡散させないための最前の方法です。

小さなこと、些細なことも一つ一つ伝えて、どうコロナウイルスを対策すべきか指示を出しています。全く前例のない出来事なので、対応方法を伝えてもらえてほっとしている国民も少なくないでしょう。

毎日のライブ配信は10分から15分にも及び、決まったことや、国民のコロナ対策に対する質問に応答。

ライブ配信の後には要点をまとめたものが毎日facebookに更新されています。

 

アーダーン首相

国境コントロールについて、教育について、経済的支援などについて延々と書かれています。毎日メッセージが長くなっちゃってごめんね!

アーダーン首相のfacebookページには毎日、長文のコロナ対策に関するメッセージが投稿されています。

 

【3/12のfacebookスピーチより】

アーダーン首相

WHOは今回のコロナウイルスをパンデミックと認定しました。

1.もし、気分が優れなかったり、コロナウイルスに似た症状があると思ったらヘルスラインに電話してください。まずどうしたらいいか?教えてくれます。

2.体調が優れず、かかりつけ医にいくことが必要であれば行く前に電話してください。
そうすることでお医者さんが安全な衣服を着る準備をできたり、必要なシステムを取り入れることができます。
病院内でウイルスを広げるかもしれないリスクを回避できます。

3.いつもの処方箋をもらいにいくなど、かかりつけ医に行く用事があればまず電話してオンラインで解決できるかどうかなど本当に行く必要があるのかどうか、可能性を確かめましょう。

いつもスピーチは以下のようなコメントと励ましで締められています。

アーダーン首相
コロナウイルスは、国際問題です。

ニュージーランドの皆さんの健康を守ることが一番重要なことので、頻繁に情報をシェアしますし、アドバイスを言います。

質問があったらコメント欄に書いてください。
次回のポストで回答します。

みんなの健康を守ることが最優先というメッセージを何度も伝え、一体となってコロナウイルスに立ち向かおうという姿勢が見られます。

質問欄には、いろいろな質問が寄せられています。

  • 妊婦の方にはどう対応するか?
  • 運転免許証が自宅待機中に切れたらどうするか?
  • 子供の教育はどうするか?など、ありとあらゆる質問が寄せられていました。一つ一つ首相が答えたり、議会で会議して決まり次第ライブ配信やインターネットに掲載されています。

ニュージーランドのコロナ対策わかりやすい数値、危険レベルを常に設定

アーダーン首相は毎日スマホで一人で録画し、笑顔で語りかけてきます。深刻な問題ですが、首相の明るい表情を見てほっとする人も少なくないでしょう。

3/4に、ニュージーランドで二人目のコロナウイルス感染者がでました。

【3/5のfacebookライブ配信】

アーダーン首相
4日のポストにみんなが興味を持ってくれたから、facebookのポストに出来るだけ多くの情報を投稿することにしました。

1. Covid-19は主にくしゃみや咳を通じて感染するので、体調が悪い時は家にいる様にしてね。
2. 自宅待機は一番効果的な方法
3. この国際的な問題に立ち向かうために、国境封鎖はニュージーランドのみんなを守るために絶対実施しなければいけない。

この日から、facebookを通したアーダーン首相のライブ配信はほぼ毎日行われるようになりました。

【3/23 のfacebookスピーチより】

アーダーン首相

土曜日にコロナウイルス警告レベルを2に引き上げることが、朝の官僚会議で決定しました。

48時間後にコロナウイルスの警告をレベル4に引き上げます。

期間は、3/25 午後11時59分から4/22の4週間 で、4週間の取り組みが成功すれば、制限を緩和しますがそうでなければ長期戦になることでしょう。

全てのイベントや集会は禁止します。

【3/24のfacebookライブ配信より】

アーダーン首相
コロナウイルス警告レベルをレベル3に引き上げた。
公共施設の閉鎖
一部教育機関の休校
集会やイベントを禁止します。

どうしてコロナウイルス対策をするのか、毎日直接国民に語りかけ、説明する首相。

医療専門家を呼んで、コロナウイルスについて学ぶ様子をライブ配信したり、とにかく国民に正しい情報を届けることを1日たりとも欠かすことはありません。

疑問点を国民からSNSで聞き取り、スピーチをしている途中でも、質問メッセージが来ると、話をやめて質問に答える場面も。

すぐにウェブサイトや電話相談を設置し、国民の不安を潰していく

ある日は、マスクを製造している工場からの動画を配信していました。その様子をとても嬉しそうに報告するアーダーン首相。

アーダーン首相
Wage subsidy
みなさん朗報です!とってもラッキーなことに、ファンガヌイに1日に80000枚のマスクを1日で生産できる会社があります。
それに、国には1800万のマスクの蓄えがあります。
それを必要な用具に応じて、医療関係者に迅速に分配します。

病院、薬局で必要なものは違うから、必要に応じて配給しますね。

【3/29のfacewbookスピーチより】

アーダーン首相
最初のコロナウイルスの犠牲者がニュージーランドで出てしまいました。
全国のみんなが悲しんでいることでしょう。
家にいることが大切です、愛する人を悲しませないためにも家にいましょう。

もし病院が混み合ったらそれは深刻な問題なので、そうならないようにみんなで協力しましょう。

アーダーン首相
自宅待機の方針に従わず、公園でフリスビーしている人などの通報が警察に2000回もありました。 通報には、警察を呼ぶ番号である111を使わないでください。

警察にルールに従ってない人の通報は、105.police.govt.nzにお願いしますね!

4週間のロックダウンに従わない人を通報するための特設サイトもすぐに作ってしまう対応ぶりです。

 

給料を即座に支給、フルタイムでもパートタイムでも働いていた時の給与で生きていける

ニュージーランドでは賃金補助もロックダウンと同時に決まっており、ロックダウン開始と同時に給料が政府から支払われています。

賃金補助は2020年の1月から6月までの期間で30%以上の売り上げ減が予測される企業が対象だそうです。

アーダーン首相
正社員に週585ドル、もしくは12週間で7029ドル支払われます。
パートタイムの場合は週350ドル、それ以下の場合は給料が働いていた時と同レベルで支払われます。

ロックダウンで仕事ができなくなってしまう人に対する補償も早期から実施されていたので、仕事が急になくなってしまった人も急に露頭に迷うことはありません。

ニュージーランドのコロナウイルス対策から学ぶこと

ニュージーランドに住んでいる友人と話していると、意識の違いを感じます。

自宅で4週間の間、仕事も全て休みになっている友人達から言われる言葉は、日本の危機感の薄さが信じられないと言った意見です。

NZの友人
コロナが怖いから、国の方針に従って家にいるよ。

自宅待機が一番コロナウイルス感染を防ぐのに有効で、それが当たり前の世界。

ヨーロッパでコロナウイルスの怖さを目のあたりにしている世界のサッカー選手達の言葉も説得力があります。

ニュージーランドのコロナ対策
国境を封鎖し感染経路を断ち、外からの侵入を徹底的に封鎖する政策。
②オーストラリアの首相とアーダーン首相が電話で直接交渉し、オーストラリアにいるニュージーランド人も守る方針。
③自宅待機の不安を和らげる、笑顔で明るいアーダーン首相のライブ配信スピーチ。
④コロナの危険性を毎日説明、みんなの疑問に即座に答える姿勢。
⑤自宅待機していないか警察官を使って調査。
⑥守らない人を通報する専門ダイヤルやホームページを設けて設置。
⑦絶え間ないヒヤリングと疑問点を解消、国民一人一人と友達のように接する政治家。
医療専門家から首相が話を聞き、その様子を国民に配信。
⑨正社員やパートへの給与支給支援、オンライン受け取りをロックダウン当初から決定。
⑩ロックダウンで、医療関係、スーパー以外のほぼ全てのお店や学校を4週間閉鎖。

ニュージーランドの取り組みは、『こんな時どうすればいいの?』という疑問に全て先手を打って対応しているように思いました。

もしこんな風に対応してくれたり、疑問に早く的確に答えてくれるならロックダウンされても不安が緩和されるでしょう。

アーダーン首相が繰り返し言っている言葉があります。

アーダーン首相
『ニュージーランドの皆さんの健康、幸せを守ることが一番大切なのです』

という言葉。全ての政策はその目的を達成するためで単純明白です。

不安な時こそ同じ心強い言葉を毎日聞くと、励まされます。

その呼びかけに対するfacebookライブ配信での国民からのコメントも全て閲覧することができます。

 

国民の声
  • 首相がしてくれている、全てのことに感謝します。あなたは最高のリーダーで、素晴らしい人です。
  • 母親が国のためにこんなに活躍しているなんて、女性の私は感銘を受けました。
  • 首相がしてくれていることには大変感謝してる。赤ちゃんもいるし、たまには休んでね!

コメント欄には、アーダーン首相に感謝するコメントが国内外から寄せられています。

リーダーだって人間だし、すごい責任感を感じてプレッシャーだと思います。

国民との信頼関係やサポートのお陰で、この大変な状況でもしっかり対応できている要員の一つではないのか?と思いました。

ニュージーランドの取り組み、とても学ぶべきところが多いと思いますし、見習うべきところは見習って行動していきたいと思いました。

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なおメシ

フリーランス料理人林直子です。NZへの留学経験から、和食や寿司が世界中の人を喜ばせることを体験し、料理人を志す。 広島、金沢の日本料理、寿司割烹のお店で修行。 全国各地、オーストラリア、ニュージーランド、ギリシャで就業経験を経て、フリーランスの料理人になる。 各地の食材を生かした料理を作りながら、ケータリング、合宿料理、野外イベントなどで料理を振る舞う。レシピ開発や、SNS運用も承ります。 趣味は、キャンプ、登山、ウクレレ、各地の混浴露天風呂温泉めぐり。




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フリーランス料理人林直子です。NZへの留学経験から、和食や寿司が世界中の人を喜ばせることを体験し、料理人を志す。 広島、金沢の日本料理、寿司割烹のお店で修行。 全国各地、オーストラリア、ニュージーランド、ギリシャで就業経験を経て、フリーランスの料理人になる。 各地の食材を生かした料理を作りながら、ケータリング、合宿料理、野外イベントなどで料理を振る舞う。レシピ開発や、SNS運用も承ります。 趣味は、キャンプ、登山、ウクレレ、各地の混浴露天風呂温泉めぐり。