その後、思い悩む時期がありました。一年経って、ギリシャで働いてくれというありがたいオファーがありました。
しかし、前回と状況は変わっていて、尊敬するボスと、キッチンスタッフの仲間はみんなミコノス島という場所へ移っていました。
私へのオファーは経営者からで、前年とは違う状況に戸惑い、自分がギリシャへ行く理由は何だろうと思い悩みました。
2015年に一緒に働いていたスタッフは、言葉は完全に通じないにも関わらず、仕事ぶりから皆勤勉で、若者は上昇志向が強く一生懸命でした。シーズンスタッフも、人柄がよく、フレンドリーで冬には違う仕事をしたり、サーフィンをライフワークにしていたり、家業のオリーブ農園を手伝っていたり、みんなギリシャの厳しい状況の中で一生懸命にいきていました。
そんななかで、自分は料理の仕事を一番にやりたいためにギリシャに行くのか？顔なじみの仲間と一緒にまた働きたくてギリシャに行きたいのか？ギリシャという自然がすばらしい環境で生活したくていくのか？何が優先順位なのか考えて、今回はギリシャ行きを断念しました。
自分は料理は好きだし、興味は一番あるけど、野外で料理する事や、地域のローカルな料理に興味があり、レストランで一流を極める方向性とは違うのではないか、と思う事もありますし、今まで働いてきた環境は自分の趣味であるアウトドアな環境ですごすためで仕事はそこで暮らす理由、お金を稼ぐ術なのではないかと、疑問になりました。
自分がいろんな環境ですごす事で、日本の美しさや地域の良さに触れました。
山登りや海でのアクティビティを通して、自然の中で生きる事の素晴らしさや幸せを常に感じております。
まだまだわかりませんが、自分の一番大切にする方向にすすんでいき、そういう事に関わって仕事したり、生活してみたいと、ためしてみたくなりました。
一番好きな事は趣味でとっておいて、仕事にするのは良くないとも言います。それは、本当だと思いますし、自分ができるかどうかわかりませんがやってみないとわからない、といつもの考えるより行動が先で生きてきたのでチャレンジしてみようと思っています。
悩んだ末、みやちんとノンちゃんちでしばらく過ごさせてもらい、考える時間を持ちました。
答えは出ないけど、無理矢理自分を追い込んで長野に行きました。
完全に納得せず、決めた決断でしたが、今となっては最良の決断だったと思います。
白馬鑓温泉からのご来光。
宝川温泉。
ジャマイカにいくよっしーと、高山祭り。
ベトナム人のゼンと安曇野めぐり。
思い悩んでいた時に、出会った大町の職場で働いていたのは７０歳をこえるおばあちゃん達。戦争をも経験して、人生の大先輩はイキイキしていて、元気で、何事にも動じず、話題豊富で悩んでいた自分が出会いたかった人たちでした。
きょうこさん、矢口さん、吉原さんに囲まれて過ごして、みんな小さな事でも気にするし、怒るし、笑うし、文句も言うし、人は何歳になっても一喜一憂して過ごしてるんだなーと、安心できました。
アットホームな職場で、私の山ばかな性格にも理解をしてくれて、休みにはみっちりしたスケジュールで山に登っていました。
山登りとは、ひ弱で、優柔不断な私に、少し計画的で、目標を遂行することを教えてくれます。計画を立てる事から始まり、決めたルートを目指して、一歩一歩登っていく。辛いですが、乗り越える事で自分への弱さを取り払い、余計な事を考えず、ゴールにまっすぐ向かえるえる所が私には、いいです。辛さの後の景色や、温泉は最高ですし、やはり体力をつけて身体を鍛えようという意識が高まりました。 一番辛くて長かった、蓮華温泉からの白馬岳日帰りピストンを、自分の誕生日に達成してからは、どんな道のりもあの時よりはマシと、乗り越えれるようになりました。
初登山のくみちゃんと爺が岳へ。
立山でキャンプ。
火打山の湿原。
誕生日に白馬岳。
山登りを通して、好きな事を好き！と自信を持って言える事が一つできました。なにもかも、うやむやではっきりしていない自分にとって、それは嬉しい確かな事であります。
なおメシ
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